猫がドッグフードを食べると何が問題?猫には使用できない食品添加物に要注意

ニャンコト
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毎日、お疲れさまです。

さて「猫がドッグフードを食べると何が問題?」の主題でわかるとおり、今回の主役は猫さんになります。

犬猫同居のご家庭の方にご参照いただければ幸いです。

興味があれば、お付き合いくださいませ。

犬と猫の違い

普段「ペット」として一括りにされることが多い犬と猫ですが、その生態は大きく異なります。

いくつか違いを書き出してみると、まず、大きな相違点として「犬は雑食動物であるのに対し、猫は肉食動物であること」が挙げられます。

そのため、雑食化した成犬では植物性成分をすり潰すための臼歯が26本もあるのに対し、猫の臼歯は14本しかなく、また犬の腸管は猫の1.5倍も長くなっています。(言いかえると猫は犬の0.67倍しかありません)。

さらに、猫は犬よりもタンパク質やアルギニンの要求量が高く、タウリンやナイアシンも体内で合成できないため、これらの物質の不足が生じやすくなっています。

その他にも、猫は犬と異なりカロテンを体内でビタミンAに転換できませんし、味覚に関しても犬は甘味を好むが、猫は甘味を感じない、という違いがあります。

このように、犬と猫には必要とする栄養成分や嗜好性に異なる点が多々あるため、犬には犬用フード、猫には猫用フードを与えることが推奨されています。

猫がドッグフードを食べると何が問題なのか

犬用に置いていたドッグフードを猫が勝手につまみ食いした。

あるいは間違えてドッグフードを買ってしまったが、捨てるのはもったいないんのでキャットフードに少量ずつ混ぜて食べさせることにした。

犬猫同居のご家庭ではよく聞く話です。

 

では、具体的に猫がドッグフードを食べると何が問題なのでしょうか。

結論から申し上げますと、猫が犬用ドライフード(いわゆるカリカリ)のドッグフードを一時的に(あるいは少量)食べる分には特に問題はありません

ただし、長期的に摂取するとなると、上記で説明したとおり、犬と猫では必要とする栄養成分が異なるため、タウリンやアルギニンなどの栄養成分に不足が生じてしまいますので注意が必要です。

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タウリンが不足する可能性

タウリンとはタンパク質を構成する含硫アミノ酸から合成される物質で、動物由来の肉には高濃度で含まれていますが、植物性タンパク質には含まれていません。

ですので、たとえば「大豆」は高タンパク質低脂肪の非常に優れた食品ですが、猫に与えるフードとしては「大豆が含まれていれば(高タンパクでさえあれば)OK!」ということはなく、仮に主成分のひとつとして大豆が入っていたとしても、その他に動物由来の肉から良質なタンパク質を摂取する必要があります。

また、猫は犬と異なり、他のアミノ酸からタウリンを合成する能力が低いため、食事から一定量を摂取する必要がありますが、本合成能力を有する犬のフードにタウリンが添加されることはほぼなく、そのため猫がドッグフードを食べ続けると慢性的にタウリンが不足するおそれがあります。

タウリン不足で引き起こされる病気

・白内障(長期間のタウリン不足)

・中心性網膜変性症

・タウリン不足の母猫から生まれた子猫で生存率の低下、小脳性発育不全、虚弱体質、後肢発達異常など

・拡張型心筋症

アルギニンが不足する可能性

アルギニンもタウリンと同じくアミノ酸の一種で、犬猫にとっては必須アミノ酸のひとつになります。(体内で合成できるヒトにとっては、非必須のアミノ酸です。)

主な食材では、干し湯葉、かつお節、きな粉、乾燥大豆、若鶏肉などに含まれています。

血管を拡張する、血流を調整する、尿素回路の働きに作用してアンモニアを解毒する、免疫機能を高めるなさまど、さまざまな機能を有しており、猫の健康維持に欠かせない栄養素のひとつです。

アルギニン不足で引き起こされる病気

・急性アンモニア中毒※

(アルギニン含有量0の食事を与えた場合、食後後2時間で嘔吐、呼吸困難などの症状。死亡例あり。)

■参照元:日本農芸化学会誌「アルギニン欠乏によるネコの急性アンモニア中毒」

 

※アルギニンは犬にとっても必須アミノ酸ですので、総合栄養食と書かれたドッグフードであれば犬にとっての必要アルギニン量は必ず含まれています。
上記参照の実験資料はアルギニン含有0の食事を与えた結果であり、総合栄養食のドッグフードでアルギニン含有0ということはありえないため、ドッグフードを食べたからといって急性アンモニア中毒を起こす可能性は極めて考えにくいと一言申し添えておきます。
ただし、アルギニンについても猫は犬に比べて要求量が高いため、長期間ドッグフードを食べ続けるとアルギニン不足状態におちいる危険性はあると考えられます。

ビタミンA欠乏症になる可能性

カロテンとはニンジン・かぼちゃ・さつまいもなどに含まれる植物色素のことをいいます。

ヒトや犬ではカロテンを体内でビタミンAに変換して利用しますが、猫は体内でこの化学変換をおこなうことができません。ですので、ビタミンAの必要量はすべて動物性食品から摂取する必要があります。

(植物性食品から変換ができない、というのはタウリンと同じですね。)

動物性食品  +  植物性食品  =ビタミンA必要量
動物性食品  =ビタミンA必要量

ビタミンAは肝臓に蓄積されているため、一時的に不足しても欠乏症になることはありません。

ですが、猫にドッグフードを長期間与え続けていると、植物性食品分のビタミンAが常に不足してしまい、ビタミンA欠乏症を引き起こす可能性があります。

ビタミンA不足で引き起こされる病気

・夜盲症

・眼球乾燥症

・皮膚障害

・免疫機能の低下

・腎炎 など

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食品添加物「プロピレングリコール」に要注意

さて、猫が犬用のドライフードを食べた場合、一時的(あるいは少量)であれば特に問題もありませんが、注意しなければならないのは猫が犬用のおやつを食べてしまったというケース。

実は食品添加物の中には「犬には使用できて、猫には使用できない」ものがあります。

それが「プロピレングリコール

ヒト用としてもメジャーな食品添加物ですが、ペットフード安全法※(2009年6月1日施行)において猫用のフードには使用してはならないと定められています。

※愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称「ペットフード安全法」)

プロピレングリコールとは

液体洗剤、不凍液エンジン冷却液、塗料およびコーティング剤、化粧品、電子タバコ、医療品などさまざまな製品に使用される物質で、食品添加物として使用される場合、品質保持剤や保湿剤として機能します。

不凍液などに使用されているときくと少し不穏な感じもしますが、一般的に低用量の使用であれば安全性は高いとされており、LD50※は経口ラットで20,000mg/kg、マウスで22,000mg/kgとなっています。

※LD50:化学物質の急性毒性の指標。マウスなどの動物に投与した場合、数日でそのうちの半数を死亡させると推定される試験物質の量。
数値が低いほど致死毒性は強い
一般的には1,500㎎/㎏以上で安全とみなされている。

くわえて、体内に入ったとしても、ヒトでは約45%のプロピレングリコールが腎臓を介して除去されること、犬では最大88%が除去されることから、ヒトや犬ではさほど危険な添加物とは考えられていません。

(原液が有毒性のある危険物であることは否定しません。)

■参照元:プロピレングリコール(CAS No:57-55-6)国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部(2009年3月)http://www.nihs.go.jp/hse/chem-info/ntp/ntpj/PG-j.pdf

猫は0.5%の添加で影響がある可能性

ところが、猫ではたった0.5%プロピレングリコールを添加しただけでも、赤血球の減少や赤血球中のハインツ小体の増加などの健康被害が認められたため、現在、ペットフード安全法においては、猫用フードへのプロピレングリコールの使用を一切禁止しています。

猫の健康被害が起こらない0.5%以下程度の添加ではプロピレングリコールに保湿効果はなく、わざわざ添加する意味がない、というわけですね。

ということで、猫用のフードには一切使用が禁止されているプロピレングリコールですが、犬用のフードでは禁止されていませんので、多くのおやつなどで使用されています。

市販品でプロピレングリコールが入っている製品

・半生タイプのフード(セミモイストフード)

・セミモイストフード

・ソフトドライフード

・半生タイプ などの表記があるもの

・動物性の肉を使用したおやつ

・ジャーキー類

・ガム類

・ふりかけ類

・薄切り肉・細切り肉の形状をしたおやつ など

「やわらか」「ふっくら」「もちもち」「しっとり」などの表記があるものに多いです。購入時には、裏の表記を必ずご一読ください。
ちなみに、プロピレングリコールの使用量が0.6%以下の場合には表示の義務はないため「プロピレングリコール」の記載があるものだけを避ければよい、とも言い切れません。当たり前のことですが、【犬は犬用、猫は猫用】がベターですね。

■参照元:プロピレングリコールの表示について(昭和五七年一〇月一六日)(環食化第四五号)(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省環境衛生局食品化学課長通知)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0587&dataType=1&pageNo=1)

まとめ

以上、猫がドッグフードを食べるとどんな問題があるかについてまとめてみました。

上記のとおり、長期的にドッグフードを与えることは猫の生態上良いとは決していえません。

また、短期的・一時的であっても(ドライフードではない)犬用おやつや半生タイプのフードを与えようか迷っている場合には、そのおやつないし半生フードに「プロピレングリコール」が添加されていないか、必ず確認するようにしてくださいね。(添加されている場合は猫には与えないようにしてください。)

犬猫同居のご家庭におかれましては、プロピレングリコールの表示がある犬用おやつを購入する場合には、猫の目と手の届かない場所で管理・保管するようにしていただけると幸いです。

 

最後までお付き合い、ありがとうございました(‘v‘)

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