サプリメントに頼らない!犬に必要な葉酸が摂れる4つの野菜

犬に必要な葉酸が取れる野菜 栄養
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毎日、お疲れさまです。

今回は犬に必要なビタミンの中でも「葉酸」にスポットをあてて、まとめてみようと思います。

葉酸は、妊婦さん(特に妊娠初期の方)が適切に摂取することで、胎児の正常な発育を助け、神経管欠損という先天異常を起こす可能性を下げることもできる優れた栄養素です。

不足すると貧血などの問題が起こる可能性があるため、犬さんにも積極的に摂っていただきたい栄養素のひとつですが、具体的に何を食べさせたらいいかは悩みどころですよね。

「サプリメントを購入しよう!」と思っても何が良いかわからないから、結局買わないまま、何もしないままになっている、という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、野菜をトッピングするだけなら簡単にすぐできるかなということで、市販の入手しやすい野菜の中から、何をどのくらい食べさせるといいかについて調べてみました。

手作り食の栄養バランスで悩んでいる方、葉酸のサプリメントを買うべきかお悩み中の方にご一読いただければ幸いです。

興味があればお付き合いくださいませ。

▼このページの内容

  • 葉酸とは何か?
  • 推奨量(犬が摂るべき量)はどのくらいか?
  • 不足するとどうなる?
  • 摂りすぎるとどうなる?
  • 愛犬に必要な葉酸が摂れる野菜は何がおすすめ?

葉酸とは

葉酸とはビタミンB群に所属し「ビタミンB9」と表示されることもある、水溶性ビタミンの一種です。

緑黄色野菜(葉の部分)や肝臓(レバー)に多く含まれており、体内にほぼ蓄積されないため、毎日適切な量を食事などから摂取する必要があります。

葉酸の3つの働き

1.造血作用

葉酸の働きを活性化するビタミンB12と協力して、新しい赤血球を作り出すために働きます。

葉酸を摂取する場合は、ビタミンB12も一緒に摂取するようにするとより良いでしょう。

2.細胞分裂時に正確にコピーする作用

細胞が分裂して増えていく際に、細胞のもつDNAを正確にコピーする作用を持ちます。

「神経管閉鎖障害」という胎児の先天異常を予防するため、ヒトでは妊婦さん(特に妊娠初期)に適切に摂取することが推奨されていますが、妊婦さんだけではなく、細胞分裂が盛んな成長期の子どもにも必要な栄養素です。

成長期の子犬にも葉酸は必要です

3.動脈硬化の予防

葉酸やビタミン12を適切に摂ることで動脈硬化を促進する「ホモシステイン」という悪玉アミノ酸から、血液中のコレステロール値を下げ、活性酸素を取り除く作用をもつ「メチオニン」を合成します。

結果、血管を狭くしたり、血液の流れをせき止めたりといった悪さをするホモシステインの血中濃度を低下させ、動脈硬化を予防します。

犬が摂るべき葉酸の量(推奨量)はどのくらい?

犬が摂るべき栄養の基準については大きく3つあり、そのいずれの基準をとるかで若干数値は変わってきます。

AAFCO(2016)NRC(2006)FEDIAF(2008)
成長期54μg67.5μg67.5μg
維持期54μg67.5μg45μg

※いずれも1,000kcalあたり

  • AAFCO……米国飼料検査官協会
  • NRC…… 米国学術研究会議
  • FEDIAF……欧州ペットフード工業会連合

いずれの基準を使用するかですが、FEDIAFの基準は多くの項目で独自性に基づく数値が出されており、その数値の求め方に理論的に納得のできる説明がされているとはいえない(信憑性に欠ける)項目も多々あるため、FEDIAFの基準は使用しません。

AAFCOの基準はあくまで市販のペットフードを作る際の基準で、手作り食の場合はNRCの基準を使用すべきだ、という意見もありますが、今回はAAFCOの基準に従って計算していきたいと思います。

計算方法は一緒ですので、NRCの基準を使いたい方は、以下で(54)と記載している箇所を(67.5)に変えて計算してみてくださいね。

今回の使用基準【AAFCO(2016)葉酸の最小値】

代謝エネルギー(ME)1,000kcalあたり54㎍

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葉酸を摂るうえでの注意点

総合栄養食」と書かれたペットフードを与えている場合、そのフードの中に葉酸はちゃんと含まれていますので、消費期限内のフードを与えているのであれば特に葉酸を追加して与える必要はありません。

(※消費期限外であれば与えてください、という意味ではありません。消費期限を過ぎたら酸化や腐敗が生じているおそれもありますので処分してくださいね。できれば開封から1~2ヵ月以内に食べ切る量を購入するようにしましょう。)

あるいは、「療法食」を与えている場合は、当該疾患などに影響を及ぼすおそれもあるため、葉酸に限らず、自己判断でサプリメントを与えることはお控えください

葉酸が不足すると、どんな問題がある?

  • 悪性貧血(巨赤芽球貧血)
  • 白血球減少
  • 舌炎・口内炎・皮ふ炎
  • 食欲不振
  • 二分脊柱を含む精神神経異常

などを生じるおそれがあります。

葉酸を過剰に摂りすぎると、どんな問題がある?

食べ物を食べているだけでは、葉酸の過剰摂取が問題になることはありませんが、サプリメントなどを使用した場合に、以下のような症状(葉酸過剰症)が起こる可能性があります。

  • 亜鉛の吸収が阻害されることで起こる胃腸障害、皮ふ炎、免疫機能の低下
  • 葉酸がビタミンB12の働きをカバーしてしまうため、ビタミンB12欠乏症に気づかず、ビタミンB12欠乏症が進行するおそれがある
  • ヒトでは、妊娠後期にサプリメントを1mg/日摂取した場合、胎児に喘息発症のリスクが高まるおそれがある

現在のところ、犬猫に関しては葉酸の過剰による中毒は報告されていませんが、上記のような報告もありますので、サプリメントを与える場合には、必ず説明書に記載された容量を守るようにしてください。

ちなみに、犬の基準には最大値は設けられていませんが、ヒトの場合には耐容上限量は推奨値の約2~4倍です。

■参照:栄養成分ナビゲーター(https://www.glico.co.jp/navi/e07-2.html)

愛犬に必要な葉酸が摂れる4つの野菜(※1日の必要エネルギーが300kcalの犬さんの場合※)

肝臓(レバー)や菜の花、卵黄やニラなど葉酸を含む食べ物はたくさんありますが、今回は以下の私的ルールに則って4つの野菜を選んでみました。

  1. 犬が食べて問題のないもの
  2. 葉酸以外の栄養成分で過剰症を起こす心配がほぼないもの
  3. 全国的にスーパーなどでよく見かけ、簡単に手に入るもの
  4. 調理方法が簡単なもの

1)茹でたアスパラガス:約1/2本

アスパラガスに含まれる葉酸

【茹でたアスパラガス】に含まれる葉酸の量:100gあたり180μg

1,000kcalあたり54μgが最少量ですので、仮に1日の必要カロリーが300kcalの犬さんの場合、(300×54)÷1,000=16.2μgが最少量となります。

アスパラガスには100gあたり180μgの葉酸が含まれますので、アスパラガスだけから葉酸を摂取しようとするならば、1日あたり9g食べる必要がある、という計算になります。

茹でたアスパラガス1本で16gほど、とのことですので1/2本くらいですね。

アスパラガスに含まれる成分のうち、βカロテンとカリウムが少し高めですが、βカロテンは過剰摂取しても特に問題はありませんし、カリウムもアスパラガス10g程度であればAAFCOで定められたカリウム最少量の1/17にしかなりませんので心配ありません。

▼最少量を求める計算式

(愛犬の1日の必要カロリー×54)÷1,000

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9.愛犬の1日の必要カロリーを知ろう!簡単にわかるRERとDERの求め方

2)茹でたさやえんどう:約14~15さや

さやえんどうに含まれる葉酸

【茹でたさやえんどう】に含まれる葉酸の量:100gあたり56μg

おなじく仮に1日の必要カロリーが300kcalの犬さんの場合で、さやえんどうだけから葉酸を摂取しようとするならば、1日あたり28.9gを食べる必要がある、という計算になります。

茹でたさやえんどう1さやで2gほど、とのことですので14~15さやくらいです。アスパラガスに比べると少し多いですね。

さやえんどうもβカロテンが高めですが、βカロテンは体外に排出されますので特に心配はありません。

3)茹でたオクラ:約1.5本

オクラに含まれる葉酸

【茹でたオクラ】に含まれる葉酸の量:100gあたり110μg

おなじく仮に1日の必要カロリーが300kcalの犬さんの場合で、オクラだけから葉酸を摂取しようとするならば、1日あたり14.7gを食べる必要がある、という計算になります。

茹でたオクラ1本で10gほど、とのことですので1.5本くらいです。

オクラもβカロテンが高めですが、βカロテンは体外に排出されますので特に心配はありません。

4)茹でたブロッコリー:1切れ(中~大サイズ)

ブロッコリーに含まれる葉酸

【茹でたブロッコリー】に含まれる葉酸の量:100gあたり120μg

おなじく仮に1日の必要カロリーが300kcalの犬さんの場合で、ブロッコリーだけから葉酸を摂取しようとするならば、1日あたり13.5gを食べる必要がある、という計算になります。

枝分かれした部分から一口サイズに切り落とした1切れ(中サイズ~大サイズ)で10g~16gほど、とのことですので中~大サイズ1切れくらいです。切る大きさによって重さも変わりますので、家庭用の測りで測ると安心ですね。

ブロッコリーに含まれる成分のうち、βカロテンとビタミンKが少し高めですが、βカロテンは過剰摂取しても特に問題はありませんし、ビタミンKも脂溶性ビタミンですが、現在まで犬猫で過剰症の報告はありません。

(ビタミンKはAAFCOの基準にも数値が定められていません。)

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野菜を与える場合の注意点

上記に示した数値はあくまで「その食材だけで葉酸の最小量を満たすには」という基準で求めた数値です。

手作り食の方の場合、実際には少なくとも2~3種類の食材でご飯を作られると思いますので、その際は、その食材が含む葉酸にも注意するようにしてください。

なお、ヒトにおいて、食べ物から摂取した葉酸の体内吸収率は50%ともいわれています。

犬の場合、消化吸収はヒトと異なりますので、どのくらい吸収されるか不明ですが、仮にヒトと同程度であれば、上記の2倍の量を食べないと葉酸の基準値を満たさないことになります。

犬の腸内でも腸内細菌によって多少の葉酸が産出されていますが、食事中の葉酸の合計が最小値を少し上回るくらいの量を摂取するよう献立を作るといいですね。

まとめ

以上、葉酸についてまとめてみました。

今回は皆さんに少しでも正確な情報をお伝えしたかったので少し難しい計算をしましたが、私自身は、そこまでガチガチに考えなくてもいいと思っています。

カロリー過剰にならない範囲で、愛犬の様子を見ながら、いろんなレシピを試してみてください。

また、ペットフードを与えている方の場合でも、ペットフード開封後はどんどんビタミンは失われていきますので、愛犬が喜んでくれるのなら、たまに上記のような野菜をトッピングするのもいいですね。

愛犬と保護者さんが楽しみながら食事が出来ますように。

最後までお付き合い、ありがとうございました(‘v’)

参照論文
■AAFCO2016年版における犬猫の栄養素プロファイル概要(前編)(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/19/2/19_105/_pdf/-char/ja)
■AAFCO2016年版における犬猫の栄養素プロファイル概要(後編)(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/20/1/20_64/_pdf/-char/ja)
■連載講座:イヌ・ネコの基礎栄養(10)ビタミンの役割と要求量(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan1998/5/3/5_135/_pdf)
■七訂食品成分表2019(女子栄養大学出版部)


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