犬の便検査でわかる5つの項目についてのまとめ

各種検査

毎日、お疲れさまです。

今回は愛犬の便検査についてまとめてみます。

便検査および尿検査は、血液検査とちがって、自然排泄されたものを使えさえすれば愛犬の体にいっさい負担をかけずに行える、愛犬に優しい検査です。

便を調べることでどんなことがわかるのか、血便は何が原因でおこるのかなど、興味があればお付き合いくださいませ。

腸内環境の状態

便の形状、ニオイ、色などから腸内環境の状態を知ることができます。

便の硬さでチェック

正常

ビニール袋などを使って取り上げたとき、地面に跡が残らず、きれいに持ち上げることができ、なおかつ、指で押さえた時に適度に弾力を感じるものが正常な便の硬さになります。

下痢便

地面に跡が残ったり、便が付着してしまうなど、水分過多状態の便をいいます。

一言で下痢便といっても軟便のこともあれば水様便のこともあり、これら状態の違いで考えられる原因や病気はまったく異なるため注意が必要です。

考えられる原因には、以下のものがあります。

【急性下痢】

消化器内寄生虫|細菌・ウイルス感染症(伝染性)|中毒|急性膵炎|出血性胃腸炎|食べ過ぎ|誤飲|食事内容の脂肪分が多すぎる|ペットフードがあわない など

【慢性下痢】

消化不良|消化器障害|ストレス過多|中毒症状|腫瘍(胃・腸)|ウイルス・伝染性疾患|膵炎|腸内寄生虫|腸内の疾患 など

急性の激しい下痢の場合、伝染性疾患の可能性もあります。

多頭飼いをされているご家庭では他の動物たちと接触をさせないようにして、隔離したら、すぐに動物病院を受診してください。

また、お尻のまわりに便が付着した場合、皮膚炎の原因にもなります。

下痢便だった際はしっぽを持ち上げ、肛門周囲に便が付着していないか確認するようにしてくださいね。

便秘気味・便が硬い

便にヒビが入っていたり、持ち上げたとき指で押してもゴチゴチで弾力がまったくないなど、水分過少状態の便をいいます。

考えられる原因には、以下のものがあります。

【便秘気味】

食事量が少ない |ペットフードがあわない|肥満気味|ストレス過多|消化器系障害(誤飲や腫瘍などによる気管閉塞)|カルシウムの過剰摂取|運動不足など

【便が硬い】

水分摂取量が少ない|ペットフードがあわない|肥満気味|運動不足|ストレス過多|消化器系障害(誤飲や腫瘍などによる気管閉塞)など

便が硬かった場合、お尻が切れている(いわゆる切れ痔)になっている可能性があります。

肛門周囲から出血をしていないかも気をつけて見てあげてください。

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便の色でチェック

正常な便の色

黄土色→こげ茶色のあいだくらいの色といわれています。

血液検査(後編)でも説明しましたが、便の色はビリルビンとよばれる黄色い色素によって茶色に着色されています。

色が茶色でない場合、まずは肝臓ないし胆嚢の障害などが疑われます。

色が薄い・白っぽい

・肝臓ないし胆嚢の障害でビリルビンが分泌されていない。

・膵臓の障害で脂肪分が消化吸収されずに排出されている。

・カルシウムの過剰摂取

などの原因が考えられます。

赤いものが混じっている

・血便(詳細は以下に記載します)

・食べた物の未消化分(ニンジンやパプリカなど)

などの原因が考えられます。

黄緑色っぽい

・悪玉菌の増殖※

(※腸内環境が悪化すると悪玉菌が増殖し、腸内が酸性。その結果、ビリルビンが酸化され緑色になります。)

・食べた物の未消化分(ピーマンやグリーンピースなど)

クロロフィルを使ったおやつを食べた。

・感染性ないし食餌性の腸炎

などが原因として考えられます。

黒っぽい・タール状

十二指腸小腸周辺などでの出血している可能性があります。

※特にどす黒いタール状の便は、緊急に治療が必要な場合があります。

便を持参の上、早急に動物病院を受診されるようにしてください。

便は食べた物の影響を強く受けます。

色のついた野菜を食べたときなど、一部未消化で排泄されたものが異物に見える場合もありますので、注意するようにしてください。

(※犬は咀嚼しませんので、飲み込んだものがそのまま出てくることが多々あります。)

また、おやつなどの着色料が原因で便が着色されてしまうこともあります。着色料の摂取は肝臓に負担をかける要因にもなりますので、ペットの食事はなるべく添加物の入っていないものを選んでいただけると嬉しいです。

ニオイでチェック

そもそも便とは臭いものではありますが、それでも毎日触れていればいつもよりもニオイがきついと感じることもあるかと思います。

いつもよりもニオイがきつい、いつもと違うニオイがする、という場合には

ペットフードを変えた|いつも食べないようなものを与えた|脂肪分の摂り過ぎ|腸内環境の悪化|膵臓疾患(膵外分泌不全症)

などの原因が考えられます。

\えらいねぇ!!/   \うんちでた~/

体のどこかで出血していないか(血便)

血便とは、その名の通り便に血が混じっている状態をいいます。

便検査では体のどこかで出血していないかを知ることができます。

血便には、

① 血の色が赤い鮮血状態のものと、

② 血の色が黒い・タール状のものがあり、

それぞれ出血していると考えられる箇所が異なります。

出血している場所での色の違い
①血の色が赤い鮮血大腸や肛門周辺からの出血
②血の色が黒い・タール状胃や小腸からの出血

なお、伝染性疾患ではトマトピューレ状の血便(および嘔吐)が見られます。

また、

① 一部に血が混じっている場合と、

② 全体に血が混じって赤くなっている場合

とでも疑われる病気は異なります。

血が混じっている範囲で疑われる病気の違い
①一部に血が混じっている好酸球性腸炎、肉下腫性腸炎、リンパ腫、小腸がんなど
②全体が赤くなっている出血性腸炎(細菌・ウイルス感染)など

 

血便が起こる主な原因としては、

腸内寄生虫|腸内の疾患|潰瘍性・突発性大腸炎|ウイルス・伝染性疾患|消化器系の障害|腫瘍 など

があります。

寄生虫がいないかどうか

検便をすることで体内に寄生虫がいないかどうか調べることができます。

寄生虫は、大きく①原虫類、②蠕虫(ぜんちゅう)の2種に分類されます。

原虫類(微細で目視できない)蠕虫類(成虫は目視できる)
● 赤痢アメーバ
● 大腸アメーバ
● ランブル鞭毛虫
● クリプトスポリジウム
● コクシジウム
● ジアルジア
● 回虫    ● 糞詮虫
● 鞭中    ● 東洋毛様線虫
● ズビニ鉤虫 ● 蟯虫
● 無鉤条虫  ● 肝吸虫
● 横川吸虫
● 日本海裂頭条虫
● ウエステルマン肺吸虫の卵
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ここで注意しなければならないのが、寄生虫が体内にいるにもかかわらず、採取した便の中に、たまたま寄生虫が含まれなかったためにマイナス(寄生虫無し)という結果になってしまう可能性がある、ということです。

寄生虫を疑わせる症状があるにもかかわらず、マイナスという結果になった場合には、かかりつけの獣医師と相談の上、再検査をしてみるのもありかと思います。(おそらく、かかりつけの獣医師が再検査を勧めると思います。)

 

なお、原虫ジアルジアは人畜共通感染症(ズーノーシス)です。

可能性は低いようですが、人に感染することもありえますので、ペットの排泄物を処理するときは手などにつかないよう気をつけるとともに、きちんと消毒もするようにしてください。

ウイルス性の感染症にかかっていないか

犬の場合、犬パルボウイルスや犬コロナウイルス、犬ジステンパーウイルスなど、また、猫の場合、猫汎白血球減少症ウイルスや猫腸コロナウイルスなど、ウイルス性の感染症にかかっていないかどうかを調べることができます。

腸炎の原因菌(細菌)がいないか

腸炎の原因のひとつに細菌性のものがあります。

ペットに下痢がある場合、細菌性の腸炎を起こしている可能性もあるため、

サルモネラ菌|キャンピロバクター|クリストリジウム

などの細菌がいないかを調べる必要があります。

これらも検便でチェックすることができます。

結果が出るまで時間がかかることもある

専門的な検査は個人の動物病院で行うことが難しいケースもあるようです。

その場合には、外部の検査機関などに検査を依頼することになるため、結果が出るまで時間がかかってしまうこともあるとのこと。

結果が出るまで不安だとは思いますが、その間は悲観したりせずに、獣医師の指示に従って、その時にできることを、できるだけしてあげるようにしましょう。

まとめ

便は全身のさまざまな情報を運んできてくれる、大事なお”便”り。

イメージとしては、

食べ物が口に入る

→ いろんな器官を通過

→ そのときに各器官より書面を預かる

→ 預かった書面をもって出てくる(便)

→ 書面を読んで(検便)苦情のある器官を知る

といった感じですね。

便検査は比較的安価で、なおかつペットの体に負荷をかけることなくできる検査(※自然排便の場合)です。

まだ表面上には出てきていない異常がわかるかもしれませんので、動物病院を受診する用事がある場合には、追加で便検査もしてみてはいかがでしょうか。

 

最後までお付き合い、ありがとうございました(´v`)

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